イノシシ姫
イノシシ姫・第1巻
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ずっと、ずっと昔の森の王国で、どんな伝奇が起きていたのでしょう? 『イノシシ姫』、第一巻。友情と愛と生死をめぐる童話をお届けします。
遠い伝説の中で、大地上の草木も走獣も、それぞれ自分の王国を持っていました。
その頃、いまのモンド城の所在はまだ一面の森で、イノシシが戯れる天地でした。
イノシシの王国はこの森にあり、イノシシ王の統治のもとで豊かで幸せでした。
王には可愛い小姫があり、森じゅうでいちばん美しい鼻、いちばん白い牙、いちばん滑らかな鬃を持っていました。
姫は美しく優しく、毎日いちばん甘くみずみずしい果実を臣民に分け与えました。
甘酸っぱいラズベリー、歯ごたえのよいリンゴ、おいしい樹のキノコ——姫はいつもまず仲間と分かち合いました。
王国のイノシシはみな王と姫を愛し、毎日こう賛美しました。
「ふん〜ふん〜我らが王に祝福を。彼がいれば、おいしい果汁に困りません〜」
「ふん〜ふん〜優しい風神に感謝。王にこんなお利口な姫を授けてくださって〜」
【この頁の余白に小さな字で:「パパ、毎晩ちゃんとあめを食べないで、毎日お祈りしたら、わたしもイノシシになれる? イノシシになりたいの、おいしいから。」】
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