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遐葉論経

第1巻

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須弥の学者が著した行伝。草王が災厄の年に辿った足跡を記す。

…私はみだりに彼女の真名を口にしません。まして凡なる臆測でその神姿を測る僭越など。私、スニタ・コサムヴィ、智識浅き僕は、かつての彼女に従った賢人たちから聞いた物語をありのまま記すにすぎず、他から聞きかじったものではありません。これらの言葉は、私自身の存在と同じく、真実にして誤りなきものです。

月影が砕けたとき、獣群は淵底より湧き、万千の生霊を噬みました。彼女が創ったもの、いずれも定めの劫滅を逃れえず、彼女が授けた浄善・安寧・智識は、純粋な悪意の前にことごとく傾覆しました。獰笑いの残月の下、枯れ敗れた黒潮が砂漠と谷を越え、かつては薔薇に絡まれた清泉を汚水と化します。その垢穢が大地を汚し、凡人は絶望に戦慄しました。賢者はそれを黒潮と呼びました——氾濫の洪水であり、原野・村・都市を呑み込んだゆえに。

彼女はすべてをその目で見届け、生霊の哀痛と離苦に悲を含んで涙を垂れました。その涙は地に落ち、燃える邪火を消し、荒れ穢れた焦土に甘露をたっぷり含んだ花を生じさせます。されど災厄の根はなお焦土の下に潜み、死の影はなお皎い月光を覆いました。かくて彼女は宏願を発し、地上の生霊を救うと決意し、従う霊使とともに最後の遠征へと踏み出しました。

彼女はすべてをその目で見届け、生霊の哀痛と離苦に悲を含んで涙を垂れました。その涙は地に落ち、燃える邪火を消し、荒れ穢れた焦土に甘露をたっぷり含んだ花を生じさせます。されど災厄の根はなお焦土の下に潜み、死の影はなお皎い月光を覆いました。かくて彼女は宏願を発し、地上の生霊を救うと誓い、従う侍者とともに光輝の遠征へと踏み出しました。

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