ヴァネッサ伝説
ヴァネッサ伝説・上篇
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モンド城再建以来、広く歌い継がれる歌謡で、西風騎士団の創始者ヴァネッサが早年、モンドで奴隷とされた物語を語ります。
モンド城の酒友よ、痛飲してやむな!
自由に、風の神に!
ヴァネッサに、最初の騎士に!
モンドの子孫よ、風神の恩賜を忘れるな——
いや——自由は恩賜ではない。抗争こそがそうだ。
物語ははるか昔に始まる。
酒客たちよ、脱線をお許しください。
だが皆は知るべきです。われらモンドの栄光ある自由は
まさにバルバトスが琴弦を鳴らしたところから始まったのだと。
詩篇は英雄の名を歌う。
だが名もなき自由こそ、なお記念されるべきです。
そのころのモンドは貴族の枷の下でため息をつき
祭典は権貴の虚偽の遊び
平民にとっては妄談にすぎませんでした。
モンド城は風に揺れる牢檻。
貴族は奴隷をほしいままに使い
自らも囚欄に深く嵌っていることを知りませんでした。
監牢には一人の少女がいました。
彼女は南方の原野から来ました。
生まれながら自由でしたが、身には鐐銬を負い
肉身は暴君に拘られても
敬虔な少女は祈ることをやめませんでした。
族人のため、モンドのため、そして虚妄ならざる自由のために。
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